こんばんは、マユです![]()
昨日のブログでは、日本の平均給与について調べました。
2025年の平均給与は、
487万円。
一見すると「過去最高」という明るいニュースです。
ところが約30年前の1995年は約457万円。
つまり、名目の平均給与は、
1995年:約457万円
↓
2025年:487万円
30年間で増えたのは約30万円、約6.5%でした。
そこで今日は、もう一つ気になったことを調べてみます。
「では、この30年間で企業の利益はどうなったの?」
給料がほとんど変わらなかったのなら、企業も儲かっていなかったのでしょうか?
調べてみると、そこには給与とはかなり違った動きがありました。
📊30年間で日本企業の利益は大きく増えた
経済産業省は、財務省の法人企業統計をもとに過去30年間の日本企業を分析しています。
その結論は、
「経常利益は上昇するも、売上は横ばい」
というものでした。
特に大企業では、この30年間で売上高は大きく伸びていない一方、経常利益や配当金は大きく増え、人件費の伸びは相対的に小さいという違いが見られます。
そして最新の2024年度。
財務省の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業の経常利益は、
約114.7兆円
に達しました。
前年度から7.5%増え、過去最高です。
2012年度には約48.5兆円だったので、この12年間だけでも、
48.5兆円 → 114.7兆円
と、約2.4倍になっています。
⸻
😳「給料」と「企業利益」を並べると…
ここで昨日の記事とつなげて考えてみます。
日本では約30年間で、
👩💼働く人の平均給与
約457万円
↓
487万円
約6.5%増
でした。
一方、企業部門では経常利益が長期的に大きく拡大し、2024年度には過去最高を記録しています。
もちろん、
平均給与と企業の経常利益は別の統計なので、単純に増加率だけを比較することはできません。
企業数も従業員数も変化していますし、企業利益には海外事業や金融収益なども含まれます。
それでも、
「企業収益の拡大に比べ、なぜ賃金の伸びはこれほど小さかったのか?」
という疑問は残ります。
実は、日本銀行もこの点を指摘しています。
2025年12月、日銀の植田総裁は、1990年代後半以降、日本企業が雇用の安定を優先する一方、賃上げや設備投資を抑制して財務体質を改善してきたと説明しました。
現在は人件費や設備投資も増加しているものの、企業収益の大幅な増加に比べると、その伸びは相対的に緩やかだとしています。
💰企業が儲けたお金は、どこへ行った?
ここで誤解してはいけないのが、
「企業利益=全部社員に配れるお金」
ではないということです。
企業が得た利益には、
設備投資、研究開発、M&A、借入金の返済、将来に備えた利益剰余金、配当、自社株買い
など、さまざまな使い道があります。
特に興味深いのが配当です。
財務省の統計では、金融・保険を除く企業の当期純利益のうち配当金が占める割合は、2020年度の47.4%から2024年度には44.7%となっています。2024年度の配当金額は約40.1兆円でした。
ですから、
「利益を全部ため込んでいる」
と考えるのも正確ではありません。
企業の利益は、企業内部だけではなく、株主への配当にも回っています。
⸻
📈では「株高」の恩恵は誰に届く?
ここで現在の株高ともつながります。
企業利益が増える。
配当も増える。
株価も上昇する。
株式を持っている人にとっては、資産価値の上昇や配当という形で恩恵を受ける可能性があります。
一方、
株を持っていない労働者にとって、一番身近な還元は「給料」です。
だからこそ、
「企業価値は上がった。でも働いている人の生活はどれだけ豊かになった?」
という視点が重要になるのだと思います。
ただし、株価は企業利益だけで決まるわけではありません。
将来の成長期待、金利、為替、海外投資家の資金など、多くの要因によって動きます。
そのため、
株高=そのまま賃上げ余力
とは言えない点には注意が必要です。
💡ここで重要なのが「労働分配率」
少し難しそうな言葉ですが、
労働分配率
という数字があります。
簡単に言えば、
企業などが生み出した付加価値のうち、どのくらいが人件費として働く人に分配されたのか?
を見るものです。
日本銀行によると、日本では企業収益が大きく増加する一方で、労働分配率は長期的に緩やかな低下傾向をたどっています。
2024年4~12月の法人企業統計を使った日銀の分析では、労働分配率は全体で約59%。
さらに大企業では約43%で、バブル期の1990年より約10ポイント低い水準でした。
日銀は、この状況について大企業を中心に「賃上げ余力」が向上していると分析しています。
これは今回の記事でかなり重要な数字だと思います。
🇺🇸ではアメリカ企業の利益は?
では、アメリカはどうでしょうか?
米商務省BEAによると、2025年の米国企業利益(在庫評価・資本消耗調整後)は、
約4.08兆ドル
でした。
2024年の約3.80兆ドルから、さらに増加しています。
つまり、
🇯🇵日本も企業利益が拡大
🇺🇸アメリカも企業利益が拡大
しています。
それなのに昨日見たように、約30年間の賃金の伸びには日米で大きな違いがありました。
では、
なぜアメリカでは日本より賃金が伸びたのでしょうか?
⸻
🇺🇸アメリカの賃金が伸びた理由①「生産性」
重要なキーワードの一つが、
労働生産性
です。
簡単に言えば、
1時間働いて、どれだけの価値を生み出せるか
ということです。
アメリカではIT、ソフトウェア、デジタル化、設備投資などを背景に、長期的に労働生産性が上昇してきました。
直近でも、米労働省によると2024年の非農業企業部門の労働生産性は3.0%上昇し、2025年も2.1%上昇しています。
生産性が上がれば、
1人が生み出す価値が増える
↓
企業がより大きな付加価値を生み出せる
↓
賃金を上げる余地も生まれる
という関係があります。
⸻
🔄アメリカの賃金が伸びた理由②「人が動く」
もう一つ考えたいのが、
労働市場の流動性です。
アメリカでは転職によって、より生産性や賃金の高い企業・産業へ人材が移動することがあります。
特にITやテクノロジーなど高付加価値産業が成長すれば、そこで働く人の賃金も全体の平均を押し上げます。
日本のように、
一つの企業に長く勤める
という雇用モデルとは、労働市場の仕組みに違いがあります。
もちろんアメリカ型にも、雇用の不安定さや所得格差など別の問題があります。
ですから、
「アメリカ型にすれば全部解決する」
という単純な話ではありません。
⸻
⚠️実はアメリカも「利益が十分に労働者へ届いている」とは言えない
ここは今回の記事でぜひ書きたいところです。
「アメリカでは企業利益が増えて、その利益が全部労働者に還元された」
という説明も正確ではありません。
米労働省によると、2025年第4四半期の米国非農業企業部門の労働分配率は、
53.8%
となり、1947年に始まる統計で最低となりました。
つまりアメリカでも、
「生産性や企業利益の成長を、どう労働者に分配するのか」
という問題を抱えています。
一方、2025年の米国では実質時間当たり報酬も1.6%上昇しました。
つまり、
企業利益が増えること
と、
労働者の実質賃金が上がること
と、
企業が生み出した付加価値のうち労働者が受け取る割合
は、それぞれ別々に見なければいけないのです。
🤔では、日本の労働者への還元はいつ?
これが今回、一番考えたかったことです。
企業利益は過去最高。
株価も高い水準。
それでも30年間を振り返ると、平均給与の伸びは小さかった。
では、
「いつになったら働く人に成長の果実が届くの?」
と思ってしまいますよね。
ただ最近、日本にも変化は出ています。
日本銀行が企業から聞き取ったところ、2026年度についても、多くの企業が2025年度と同程度の賃上げを行う必要があると考えていました。
背景には、人手不足だけではなく、
人材を確保するため
社員の離職を防ぐため
社員のモチベーションを維持するため
といった事情があります。
つまり、
企業が賃金を上げなければ、人を確保できない時代
へ日本も少しずつ変わっているのかもしれません。
一方、中小企業では価格転嫁が十分できず、大企業と同じような賃上げが難しい企業もあります。
ここは「企業にはお金があるのだから全部賃上げすればいい」と一括りにできない部分です。
⸻
🤖AI時代に必要なのは「利益→投資→生産性→賃金」の循環?
そして、ここ数日のブログテーマともつながります。
これからAIやロボットが普及していきます。
単純に人件費を抑えて利益を増やすのではなく、
企業利益
↓
AI・ロボット・設備・研究開発へ投資
↓
一人当たりの生産性を上げる
↓
企業がさらに付加価値を生み出す
↓
その成果を賃金にも還元する
という循環ができるかどうか。
私はここが、日本のこれからを考える重要なポイントだと思います。
📈数字や制度から見えてくること
30年前から現在までを振り返ると、日本企業が「儲からなくなったから給料を上げられなかった」という説明だけでは、現在の状況を十分には説明できません。
企業収益は長期的に大きく増えています。
2024年度の経常利益は過去最高の約114.7兆円でした。
一方で、日銀自身も、企業収益の大幅な増加に比べて人件費や設備投資の伸びが緩やかだったと指摘しています。
だからこれから見るべきなのは、
「企業はいくら儲けたか」だけではありません。
その利益が、
設備投資にどれだけ使われたのか。
研究開発にどれだけ使われたのか。
株主にどれだけ還元されたのか。
そして、
働く人の給与にどれだけ還元されたのか。
ここまで見る必要があるのだと思います。
🌸まとめ
昨日の記事では、
「日本の平均給与は30年間で約30万円しか増えていない」
という数字を紹介しました。
今日、企業側を調べてみると、
企業利益は同じ期間に大きく成長し、現在は過去最高水準
という、まったく違った景色が見えてきました。
しかし、
企業利益が増えた=すべて賃金に回すべき
という単純な話でもありません。
企業が成長するには設備投資や研究開発も必要ですし、株主への還元も企業経営の一部です。
だからこそ重要なのは、
企業・株主・労働者・将来への投資のバランス
なのではないでしょうか。
アメリカでは企業利益だけでなく、生産性や実質賃金も上昇してきました。
それでも労働分配率の低下という問題を抱えています。
つまり日米共通の問いは、
「企業が生み出した豊かさを、どう社会全体の豊かさにつなげるのか?」
なのだと思います。
企業利益が過去最高となり、株式市場も注目される今。
日本がこれから、
利益 → 投資 → 生産性向上 → 賃上げ → 消費 → 企業の成長
という好循環を作れるのか。
そして30年後に、
「企業だけでなく、働く人も豊かになった」
と言える日本になっているのか。
これからの数字をしっかり見ていきたいと思います🇯🇵📊✨
皆さんは、企業利益が大きく増えた一方で、給与の伸びが小さかった30年間をどう感じますか?🙇♀️📊💜


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