平均年収487万円で「過去最高」――でも30年で増えたのは約30万円?日米の賃金を比較

こんばんは、マユですニコニコ

最近、こんなニュースを見ました。

「487万円まで上がったんだ!」

と思った方もいるかもしれません。

国税庁が2026年9月29日に発表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、2025年に1年を通じて勤務した民間給与所得者の平均給与は、

487万円

でした。

給与が上がること自体は、もちろん歓迎したいニュースです。

でも私は、ここで疑問を持ちました。

そして調べてみると、日本の賃金を考えるうえで非常に重要な問題が見えてきました。

🇯🇵30年前の平均給与はいくらだった?

約30年前の1995年。

国税庁の民間給与実態統計では、平均給与は、

約457万円

でした。

そして2025年は、

487万円。

つまり、

30年間で増えた金額は、

割合にすると約6.5%。

「過去最高」という言葉だけを見ると大きく賃金が上がったように感じますが、30年間という長い時間で見ると、違った景色が見えてきます。

⸻

💰しかも「名目」の金額

ここでさらに重要なのが、

物価です。

30年前の457万円と、現在の487万円。

数字だけなら現在の方が約30万円多いですよね。

しかし、その間に物価も変わっています。

つまり、

そこで、物価の変化を調整したデータも見てみます。

🌏OECDのデータで見ると、さらに驚く結果に

国際比較では、単純に日本の給与を現在の為替レートでドル換算するだけでは正確な比較ができません。

円高・円安によって数字が大きく変わるからです。

そこで今回は、OECDの物価変動を調整し、購買力平価(PPP)で換算した平均年間賃金を見てみます。

2025年価格に調整した数字では、日本は、

🇯🇵1995年

でした。

ところが2024年は、

🇯🇵2024年

です。

つまり実質的な購買力を考慮すると、

しています。

「給与は過去最高」というニュースと、

という話は、矛盾しているように見えます。

でもこれは、

名目賃金と実質賃金の違い

なんですね。

🇺🇸では、アメリカはどうなった?

ここからが今回の日米比較です。

同じOECDの指標でアメリカを見ると、

🇺🇸1995年

でした。

それが2024年には、

🇺🇸2024年

まで上昇しています。

比較すると、とても分かりやすくなります。

1995年

約30年前は、もちろんアメリカの方が高かったものの、その差は約5,900ドルでした。

ところが、

2024年

⸻

😳30年前は、日米の差は今ほど大きくなかった

私はここが今回、一番驚いたところです。

現在の日本とアメリカを見ると、

「アメリカの給料は日本よりかなり高い」

というイメージがあります。

でも30年前を見ると、現在ほど大きな差ではありませんでした。

これは、

を考えるうえでも非常に重要だと思います。

⸻

🇯🇵日本は「先進国最下位」なの?

ここは少し注意が必要です。

「日本の平均年収は先進国最下位」

という表現を見かけることがあります。

しかし、これは正確ではありません。

OECD加盟国の中には、日本より平均賃金が低い国もあります。

ですから、

❌「日本は先進国最下位」

ではなく、

OECDのデータを見ると、日本の実質・PPPベースの平均年間賃金は2024年に約50,421ドルでした。

日本は世界有数の経済規模を持つ国です。

それなのに賃金の伸びが30年間ほとんど見られなかったことこそ、考えるべき問題なのではないでしょうか。

⸻

🤔なぜ日本の給与は30年間上がらなかった?

では、なぜ日本だけ賃金が伸び悩んだのでしょうか。

一つの理由だけでは説明できません。

つまり、

「企業が内部留保したから」

など一つの理由だけで30年間を説明するのは難しいということです。

⸻

💴賃金が上がらないと、何が問題なの?

「給料が低くても物価が安ければいい」

という考え方もあるかもしれません。

しかし、長期間賃金が伸びないことには、さまざまな問題があります。

まず、

物価だけが上がり、給料がそれ以上に上がらなければ、実際に買える商品やサービスは減ります。

「給与明細の数字」ではなく、

給料で何が買えるのか

が重要です。

⸻

給料が上がらなければ、

「将来が不安だから貯金しておこう」

となりやすくなります。

消費が伸びなければ、企業の売上も伸びにくくなります。

企業の成長が鈍れば、

投資が増えない

↓

生産性が伸びない

↓

賃金も伸びない

という循環に陥る可能性があります。

だから賃金は、単なる会社員のお給料の問題ではありません。

日本経済全体の問題

でもあります。

⸻

そして今後、さらに重要になると思うのが、

人材の国際競争です。

AI、IT、半導体、研究開発などでは、世界中で優秀な人材を奪い合っています。

もし、

🇯🇵日本で働くより

🇺🇸アメリカで働いた方がはるかに高い給与を得られる

となれば、優秀な人が海外へ行く可能性もあります。

外国から優秀な人材を呼び込むことも難しくなります。

🤖AI時代だからこそ「安い労働力」に頼らない

昨日の記事では、

「AI・ロボット時代に外国人労働者をどう受け入れるのか?」

について書きました。

実は今回のテーマともつながっています。

日本がこれから目指すべき方向を考える際には、

人手不足だから安価な労働力を増やす

という発想だけではなく、

AI・ロボット・自動化へ投資する

↓

一人当たりの生産性を高める

↓

企業が付加価値を生み出す

↓

その成果を賃金にも反映する

という方向も重要です。

もちろんAI導入だけで自動的に賃金が上がるわけではありません。

しかし、

という視点は、人口が減少する日本ではますます重要になるのではないでしょうか。

⸻

📈487万円になったことは「良い変化」

ここまで読むと、

「今回の487万円というニュースも意味がないの?」

と思うかもしれません。

そうではありません。

給与が継続して上昇することは重要です。

だから今回のニュースは、

「意味がない」

のではなく、

「ここから持続的に伸ばせるかが重要」

なのだと思います。

🇯🇵🇺🇸日本とアメリカ、30年間で大きな差

今回調べた数字を改めて整理します。

🇯🇵日本

国税庁の平均給与

一方、物価を調整したOECDの実質・PPPベースでは、

そして、

🇺🇸アメリカ

約30年前には比較的小さかった日米の差が、大きく広がったことが分かります。

🌸まとめ

今回、

「日本の平均給与が487万円になった」

というニュースから30年間を振り返ってみました。

487万円という数字だけを見ると、

「日本の給料も上がってきた」

と思うかもしれません。

確かに直近では上昇しています。

そして物価を考慮したOECDの比較では、

だから私は、

「平均給与が過去最高になったか」だけを見てはいけない

と思います。

ではないでしょうか。

日本には技術も企業も人材もあります。

これからAIやロボットが普及する時代だからこそ、単に人手を増やすことだけを考えるのではなく、

生産性を高める

成長産業へ投資する

働く人に成果を還元する

そして、

皆さんは、30年前と比べて約30万円しか増えていないという数字を、どう感じますか?

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