こんばんは、マユです![]()
ここ数回、障害福祉について調べてきました。
前回は、
「日本で障害のある人は増えているの?」
というテーマを取り上げました。
そこで今回は、福祉から少し視点を変えて、
「障害のある人が働く環境」
について考えてみたいと思います。
日本とアメリカでは、障害者雇用に対する制度の考え方に大きな違いがあります🇯🇵🇺🇸
🇯🇵日本は「法定雇用率」が大きな柱
日本には障害者雇用率制度があります。
一定規模以上の企業には、従業員の一定割合以上の障害者を雇用することが求められています。
2026年7月から民間企業の法定雇用率は、
2.7%
になりました。
対象となる企業も、原則として従業員37.5人以上へ広がっています。
つまり、およそ40人規模の会社でも障害者雇用を考える必要があります。
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げ」
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📈日本の障害者雇用は増えている
実際、日本企業で働く障害者は増加しています。
厚生労働省によると、2024年6月時点で民間企業に雇用されている障害者は、
約67.7万人
となり、過去最高を更新しました。
実雇用率も、
2.41%
で過去最高でした。
これは障害者雇用政策の大きな成果だと思います。
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⚠️それでも法定雇用率を達成している企業は半分程度
一方で気になる数字もあります。
2024年時点で法定雇用率を達成した企業の割合は、
46.0%
でした。
つまり、障害者雇用数そのものは増えているものの、すべての企業で順調に進んでいるわけではありません。
企業側にも、
どのような仕事を任せればいいのか
職場環境をどう整えればいいのか
どのような配慮が必要なのか
といった課題があります。
💰雇わなければ「納付金」も
日本には、障害者雇用を促すための障害者雇用納付金制度もあります。
常用労働者が100人を超える事業主で法定雇用率を満たしていない場合、原則として不足する障害者1人につき、
月額5万円
の納付金が課されます。
一方、一定の基準を超えて障害者を雇用している企業には調整金などが支給されます。
つまり日本は、
「一定割合の雇用を企業全体で確保する」
という考え方が非常に強い制度です。
JEED「障害者雇用納付金制度」
🇺🇸アメリカには同じ「2.7%」制度はない
では、アメリカはどうでしょうか?
ここが日米の大きな違いです。
アメリカでは、日本の民間企業全体に対する法定雇用率のように、
「従業員の○%を障害者にしなければならない」
という全国一律の仕組みが中心ではありません。
代わりに重要なのが、
ADA(Americans with Disabilities Act)
です。
1990年に成立した障害を持つアメリカ人法です。
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🇺🇸キーワードは「差別禁止」
ADAでは、一定の要件を満たす障害のある人について、雇用における障害を理由とした差別を禁止しています。
対象となる雇用主については、原則として従業員15人以上です。
採用だけではなく、
採用選考
賃金
昇進
研修
解雇
福利厚生
など、幅広い雇用場面が対象になります。
米国EEOC「Disability Discrimination」
🪑「合理的配慮」も重要
ADAのもう一つの重要な考え方が、
Reasonable Accommodation(合理的配慮)
です。
障害のある人が仕事をするために必要で、雇用主に過度な負担を生じさせない範囲で、職場環境や仕事の方法などを調整することが求められます。
例えば、
勤務時間の変更
設備・職場環境の変更
利用可能な設備への変更
仕事の進め方の調整
などです。
つまり、
🇯🇵日本
「何人雇用しているか」
という数の確保を制度的に強く促す。
🇺🇸アメリカ
「障害を理由に差別されず、必要な配慮を受けながら働けるか」
を法律で保障する。
という制度設計の違いが見えてきます。
ただし、日本にも障害者差別禁止と合理的配慮の提供義務があるため、「日本=雇用率だけ」というわけではありません。
🇺🇸アメリカにも障害者雇用の数値目標がある?
ここは少し意外でした。
アメリカでも、一定の連邦政府契約事業者についてはSection 503という制度があります。
対象となる連邦契約事業者には、
障害者7%
という活用目標(utilization goal)が設定されています。
ただし、これは日本の法定雇用率と同じ意味ではありません。
7%を下回ったこと自体が直ちに違法となる「雇用義務」ではなく、企業が自社の取り組みを評価するための目標です。
米国労働省「Section 503」
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📊アメリカでは実際どれくらい働いている?
制度が違えば、実際の雇用状況も気になります。
米国労働統計局(BLS)によると、2025年の障害者のemployment-population ratio(人口に占める就業者割合)は、
22.8%
でした。
障害のない人では、
65.2%
です。
かなり大きな差があります。
ただし、障害者には高齢者が多いことなど人口構成の違いもあるため、この数字だけで雇用政策の成否を判断することはできません。
🤔「雇った人数」だけで成功なの?
ここで私は一つ疑問を感じました。
日本では障害者雇用が過去最高になっています。
これは大切な成果です。
しかし、
「雇用率を達成した=働きやすい会社」
なのでしょうか?
数字だけでは、
本人に合った仕事なのか?
十分な仕事が与えられているのか?
職場で孤立していないか?
合理的配慮を受けられているか?
適切な賃金を受け取れているか?
長期間働き続けられているか?
までは分かりません。
⸻
🌱「雇う」から「働き続けられる」へ
これから日本が考えるべきなのは、
障害者を何人雇ったか
だけではなく、
「その人が安心して働き続けられているか」
ではないでしょうか。
もちろん、法定雇用率にも大きな意味があります。
数値目標がなければ、採用機会そのものが十分に生まれなかった可能性もあります。
一方、アメリカのADAが重視する、
差別禁止+合理的配慮
という考え方も重要です。
🇯🇵実は日本にも「合理的配慮」がある
ここは誤解しないようにしたいところです。
日本でも障害者雇用促進法によって、
障害者に対する差別は禁止
されています。
そして企業には、
合理的配慮を提供する義務
もあります。
したがって、
日本=雇用率だけ
アメリカ=合理的配慮だけ
という単純な違いではありません。
両国とも差別禁止・合理的配慮を取り入れていますが、日本ではさらに法定雇用率によって雇用機会そのものを確保する仕組みが強く組み込まれているのが特徴です。
🌸まとめ
今回、日本とアメリカの障害者雇用を比較して感じたのは、
「雇うこと」と「働きやすいこと」は同じではない
ということです。
日本の法定雇用率には、
障害者の雇用機会を企業に確保してもらう
という大切な役割があります。
一方で、数字だけを達成する制度になってはいけないと思います。
必要なのは、
✔️雇用機会を確保する
✔️障害を理由とした差別をなくす
✔️必要な合理的配慮を行う
✔️本人に合った仕事を用意する
✔️長く働き続けられる環境をつくる
ことではないでしょうか。
日本の「雇用率」という考え方と、アメリカの「差別禁止・合理的配慮」という考え方。
どちらか一つではなく、
「雇用する」から「安心して働き続けられる」へ。
障害者雇用も、人数だけではなく働き方の質を見る段階に進んでいくことが大切なのではないでしょうか🙇♀️🌿🇯🇵🇺🇸


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