こんばんは、マユです![]()
世界では、戦争や迫害から逃れ、自分の国へ帰ることができない人たちがいます。
そうした人を保護するためにあるのが難民・庇護制度です。
一方で、
「難民申請すれば、その国にずっと滞在できるの?」
「申請中は働けるの?」
「何度でも申請できるの?」
「難民に該当しなかった場合はどうなるの?」
など、制度について分かりにくい部分もあります。
今回は、日本🇯🇵とアメリカ🇺🇸を比較しながら、
本当に保護が必要な人を守りながら、制度の濫用をどう防ぐのか?
について考えてみたいと思います。
🌍そもそも「難民」とは?
「自分の国より日本やアメリカで暮らしたい」
という理由だけで難民として認定されるわけではありません。
難民条約では、基本的に、
人種
宗教
国籍
特定の社会的集団の構成員であること
政治的意見
などを理由に迫害を受けるおそれがあり、自国の保護を受けられない人などが対象になります。
日本も難民条約・議定書に加入しており、この枠組みに基づいて難民認定制度を運用しています。
つまり、経済的に豊かな国で働きたいという理由だけでは、原則として難民の定義には該当しません。
🇯🇵日本の難民申請
日本にいる外国人は、地方出入国在留管理局などで難民認定を申請できます。
ここで意外なのが、日本には米国のような一般的な、
「入国から1年以内に申請しなければならない」
という申請期間の制限規定がないことです。
申請すると、
申請
↓
難民調査官などによる審査
↓
難民認定・不認定
↓
不認定の場合は審査請求
という流れがあります。
不認定になったからといって、不服を申し立てる機会がまったくないわけではありません。
⸻
🇯🇵日本には「補完的保護」もある
ここは非常に重要です。
難民条約上の「難民」に該当しなくても、
紛争などによって帰国すれば生命・身体に重大な危険がある人
など、保護すべき人が存在します。
日本では2023年12月から補完的保護対象者認定制度が始まりました。
現在は難民認定申請をすると、難民該当性だけでなく、原則として補完的保護対象者に該当するかについても判断されます。
つまり、
「難民として認定されなかった=誰でも直ちに国外退去」
ではありません。
📊日本では実際に何人が申請している?
最新の2025年の数字を見ると、
難民認定申請者 11,298人
でした。
そのうち、難民認定制度全体の運用によって、
難民認定 187人
補完的保護 474人
人道的配慮による在留 525人
となり、合計1,186人について日本での在留が認められています。
ここは数字を見る際に注意が必要です。
「申請者11,298人に対して難民187人だから、単純に認定率は約1.7%」
としてしまうと正確な制度評価にはなりません。
その年の申請者数と、その年に処理された案件は同じ集団ではないからです。
2025年に処理された難民申請は14,832人で、その中には過去に申請した案件も含まれます。
⸻
🔁何度も難民申請する人は?
2025年の難民申請者11,298人のうち、
1,305人(約11.6%)
は、過去にも難民認定申請をしたことがある人でした。
日本では以前、
難民申請をすると、その理由や申請回数を問わず原則として送還が停止される
仕組みがありました。
そのため政府は、送還を避けたり就労したりする目的で制度を濫用・誤用するケースがあることを問題視してきました。
⸻
⚠️日本は「3回目以降」の扱いを変更
2024年6月に施行された改正入管法によって、この仕組みが変わりました。
現在は原則として、
3回目以降の難民等認定申請
について、難民等として認定すべき「相当の理由がある資料」を提出した場合などを除き、申請中であっても送還停止効の例外となり得ます。
これは、
「何度申請しても自動的に送還されない」
という仕組みを見直したものです。
ただし、新たな迫害事情や重要な証拠が出てきた人まで一律に排除する制度ではない点も重要です。
💼「難民申請すれば日本で働ける」は誤解
これもよく誤解される部分です。
難民申請をしただけで、
自動的に日本で働けるようになるわけではありません。
出入国在留管理庁も明確に、
「難民認定申請をすれば日本で就労できるというものではありません」
と案内しています。
在留資格や申請者の状況などによって扱いが異なり、仮滞在者についても報酬を受ける活動には別途許可制度があります。
🇺🇸アメリカのAsylum(庇護)は?
アメリカでは、日本の難民認定と比較するときにAsylum(庇護)を見ると分かりやすいです。
大きく、
Affirmative Asylum
→ 原則として国外退去手続きに入っていない人がUSCISへ申請
Defensive Asylum
→ 国外退去手続きの中で移民裁判所に庇護を求める
という2つのルートがあります。
AffirmativeでUSCISが認めず、その後国外退去手続きに入った場合には、移民裁判官が庇護申請について判断することがあります。
⸻
⏰アメリカには原則「1年ルール」
日本との大きな違いです。
アメリカでは原則として、
米国到着後1年以内
にAsylumを申請する必要があります。
ただし、事情の変化や特別な事情など、法律上の例外があります。
日本にはこれと同じ一般的な申請期限の規定はありません。
この違いは日米比較の記事でかなり興味深いポイントです。
⸻
🇺🇸国境などでは「Credible Fear」の審査も
アメリカでは、迅速な退去手続きの対象になった人が、
「帰国すれば迫害・拷問を受ける」
と訴えた場合、DHSの庇護担当官がCredible Fear(信憑性のある恐怖)について審査する仕組みがあります。
基準を満たすと、その後の庇護などの手続きへ進む場合があります。
反対に担当官が基準を満たさないと判断した場合でも、一定の場合には移民裁判官によるレビューを求めることができます。
つまり、
「国境で難民だと言えば、そのままアメリカに住める」
という単純な制度ではありません。
⸻
💼アメリカでは申請中に働ける?
アメリカでも、
Asylumを申請した瞬間から自動的に働けるわけではありません。
現在のUSCISの案内では、庇護申請が係属してから150日経過後にEAD(Employment Authorization Document)を申請でき、原則180日が経過するとEADを取得できる資格が生じます。
本人が審査を遅らせた期間などは、この日数に算入されない場合があります。
ここは日本とアメリカの大きな比較ポイントになります。
🤔「難民申請=移民」ではない
ここは今回の記事で特に大切にしたいところです。
通常の移民政策と難民政策は分けて考える必要があります。
仕事や生活を目的として外国へ移住する場合には、
就労ビザ・家族ビザなど通常の移民制度
を利用するのが基本です。
一方、難民制度は、
迫害などによって自国へ帰れない人を保護するための制度
です。
この2つが混同されると、
本当に助けを必要としている難民の審査まで遅くなる可能性があります。
⸻
💡必要なのは「厳しくすること」だけではない
私は、難民制度で重要なのは、
「たくさん受け入れるか、受け入れないか」
という二択ではないと思います。
必要なのは、
①本当に保護が必要な人
→ できるだけ迅速に認定・保護
②判断が難しい人
→ 証拠を確認し、適正な審査と不服申立てを保障
③難民制度を滞在・就労目的で利用する申請
→ 迅速に判断し、該当しなければ通常の入管制度へ
という仕組みではないでしょうか。
審査に何年もかかれば、本当の難民にとっても、受入国にとっても負担になります。
🌸まとめ
今回の日米比較から分かるのは、
🇯🇵日本も🇺🇸アメリカも、難民・庇護制度を「申請すれば自動的に滞在・就労できる制度」にはしていない
ということです。
日本では2025年に11,298人が難民認定を申請し、制度全体で難民187人、補完的保護474人、人道的配慮525人について日本での在留が認められました。
また日本では、反復申請によって送還が事実上困難になる問題への対応として、2024年から3回目以降の申請について送還停止効に例外を設ける制度も始まっています。
一方アメリカには、原則として到着から1年以内の申請期限があり、国境等ではCredible Fearの審査、申請中の就労についても一定の待機期間があります。
難民制度で最も大切なのは、
「本当に命や自由を脅かされている人を確実に守ること」
だと思います。
だからこそ、制度を別の目的で利用するケースを適切に見極め、審査を迅速化することは、本当に保護を必要としている難民を守ることにもつながるのではないでしょうか。
人道的な保護と、公平で適正な入国・在留管理をどう両立させるか。
皆さんは、日本の難民制度について、どのような仕組みが公平だと思いますか?🙇♀️🇯🇵🇺🇸✨


コメント